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今年で終わらせないための 『振り返り』のおはなし

先週、毎年恒例の「今年の漢字」が発表されました。
社内でもちょっとした話題になりましたが、「熊」が見事1位。

実は今回、1位と2位は驚くほどの僅差だったそうです。
1位の「態」が全体の12.3%、2位の「米」は12.25%。その差は、わずか180票。
私自身の予想は「米」か「高い」でしたので、惜しくも1位は逃しましたが、ベスト3入りということで、ひそかに胸をなでおろしています。

さて、そんな話題で少し和んだところで、気づけば2025年も残り2週間ほどとなりました。
師走に入ってからというもの、時間の流れが一段と早くなったように感じている方も多いのではないでしょうか。

先日、ふとした会話の中で驚いたことがありました。
それは、「なぜ12月を師走と呼ぶのか」を知らない方が意外と多い、ということです。
皆さんはご存知でしょうか。

「師走」の“師”とは、お坊さんのこと。三蔵法師の“師”ですね。

そのお坊さんが「走る」と書いて師走。
つまり、12月はお坊さんですら走り回るほど忙しい時期、というのが語源だそうです。

普段、走るイメージのないお坊さんが走るほど忙しい。
そう考えると、年末に慌ただしくなっているとき、少しだけ肯定してもいい気がしてきます。
「忙しいのは仕方がない」

そう受け止めた上で、どう向き合うかが大切なのかもしれません。


振り返りは、反省会ではない

この時期になると、多くの方が「今年の振り返り」をされていると思います。

「反省と振り返りは違う」

「反省する前に、まず振り返ることが大切」

今年も自分自身の振り返りをしたり、チームの振り返りに参加したり、各部門の振り返りを聞いたりする中で、改めて感じていることがあります。
それは、振り返りの “内容” 以上に、“やり方” が成果を左右するということです。

同じ一年を過ごしていても、振り返り方によって
「来年につながる人」と「今年で止まってしまう人」に分かれてしまう。
そんな印象を持つことが増えました。
そこで今回は、私自身が大切にしている「振り返りの4つのポイント」をお伝えしたいと思います。


① KPIだけで終わらせない

振り返りというと、どうしても
「KPIは達成できたか」「数字は〇か×か」
という話になりがちです。

もちろん、KPIは重要です。
ただし、忘れてはいけないのは

KPIは目的そのものではなく、目的に近づくための指標だということ。

そのKPIを設定した背景には
「何を実現したかったのか」
「どんな状態を目指していたのか」
という本来の目的があったはずです。

仮にKPIが達成できていたとしても
目的に対して十分な効果が出ていなければ、それは片手落ちの成果です。
数字と同時に、目的に立ち返る。
これが、振り返りの質を一段引き上げてくれます。


② 個人と、チーム

2つ目は、自己視点と客観的視点の両方で評価することです。

チーム目標を振り返る際
「実は誰か一人の頑張りに依存していなかったか」
「チームとして再現性のある成果だったか」
を確認することは、とても重要です。

自分では「うまくやれた」と感じていても
周囲から見たときにチームの成果として伝わらなければ、次につながりません。

自己満足で終わらせないためにも
客観的に 「誰が見ても分かる成果だったか?」
という問いを、一度自分に投げかけてみてください。


③ 記憶に頼らず、時間をさかのぼる

3つ目は、時系列全体で振り返ることです。

振り返りの場では、どうしても直近の出来事に意見が集中しがちです。
記憶の範囲で意見をする人が多いからです。

しかし、裏を返せば
「事前に、振り返る準備ができていない」 とも言えます。

また、進行する側も
「この活動、どうでしたか?」
と聞いて終わってしまうケースが少なくありません。

例えば、クレームが発生した際に
「標準作業が守れていませんでした」 で終わってしまう。
これでは真の原因は見えず、来年も同じことが起こります。

「いつから兆しはあったのか」
「そもそも、どうしてそうなっているのか」
時間をさかのぼって考えることで、初めて本質に近づけます。


④ 広げるより、掘る

最後は、広さよりも深さです。

特に、うまくいかなかったことについては
「なぜうまくいかなかったのか」
その一歩先まで深く掘り下げないと、振り返りの意味がありません。

逆に言えば
原因さえ突き止められれば、来年やるべきことは自然と見えてきます。


振り返りとは、未来につなげる技術

改めて、振り返りの4つのポイントをまとめます。

1. KPIと活動目的の両方を見る
2. 自己視点と客観的視点で考える
3. 時系列で全体を振り返る
4. 広げるよりも深さを意識する

振り返りをしっかり行えば
「次に何をすべきか」は、無理に考えなくても見えてくるものです。

そしてこの振り返りは、仕事だけの話ではありません。
学習、趣味、スポーツ、日常のあらゆる場面で役立つ思考習慣になるでしょう。

 

「良い振り返り」を別の言葉で表すなら
過去・現在・未来をつなげる力だと、私は思います。

私自身も、まだまだ訓練中です。
だからこそ、この年末は 「振り返りの振り返り」 をするくらいの気持ちで
自分と向き合う時間を大切にしたいと思います。

今年の汚れは、今年のうちに。
今年の課題も、今年のうちに。

走るお坊さんの季節だからこそ
一度立ち止まり、来年に向けた助走を整えていきましょう。